情熱プロダクト開発

プロダクトマネージャー 兼 エンジニアリングマネージャー。プロダクト開発で、大切だと思っていることを書いていきます。

あなたのプロダクトチームは機能してますか?

プロダクトのチームでは、プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナー、マーケッター、営業、カスタマーサポートなどなど、本当に様々な役割の人間が関わりながらプロダクト開発を行っている。

これらの人達が1つのチームになり、有機的に連携しながらパフォーマンスを出すのが理想的だが、その環境を作り出すのは本当に難しい。
 
優秀な人達が揃っていても陥ってしまう罠みたいなものがあるので、過去の成功や失敗を振り返って、プロダクトチームをマネージするに辺り大切にしていることをチェックリストにしてみた。
  

1. 企画担当、エンジニア、デザイナー、関係部署のメンバーが毎日雑談しているか?

良好なチームのベースには信頼と結束が必要だが、それらが揃っているチームは日常的なコミュニケーション量も自然と増える。結構プライペートにも突っ込んだ話もしたりするんじゃないだろうか?挨拶から始まり、週末の話や家族の話、この本何?とか、ホットトピックなど。雑談ができるということはお互いの背景や大切にしている価値観などを相互理解できているということ。まず、この状態を作り出すことが大切だ。チーム結成時などにはまず下記のようなツールを利用して相互理解を深め、信頼と結束の土壌を作るといい。
 
  • そもそも席が近い、遠いと自然なコミュニケーションが生まれない
  • 自分の出自の紹介
  • メンバー間でのランチ
  • キックオフや飲み会
  • 定期的な1 on 1
  • 営業同行
  • カスタマーサポート体験
 

2. 雑談の中で自然に議論をしているか?

自然な議論がうまれるという事は、チームの課題共有と目標設定が共有できているという事。また、サービスの未来をお互いに語り合ったりする事で、目の前の問題だけではなくメンバー全員がサービスの目指すべき方向や、より本質的な課題についての理解が深まる。
 
チーム全体の課題設定や目標設定などの共通認識を作るためには、下記のようなツールを使って、課題について共有、議論するといい。
  • 週一定例ミーティング
  • チームオフサイト合宿

 

3. 他のチームメンバーが今日何をやっているか把握しているか?

変化の早い時代、スピーディーな意思決定が求められる。それに対応するためには、毎日の適切な情報共有は必須となる。これができていれば、自然と他のメンバーが何をやっているかについても共有できているはずだ。
 
逆に毎日適切な情報共有ができていない場合、チームの意思決定やチームの置かれている状態をメンバーが理解できないため、メンバーは変化への対応が遅れる。結局は大きい無駄が発生することが多い。例えば、優先順位が下がった案件についてデザイナーやエンジニアが作業し続け、優先度が高い案件についてリソースが割かれないなど、こういう事故が発生する。
 

 

4. 出社したらまず数字を確認するか?

チーム全員の役割分担が明確になっていて、各自数字にコミットしている状況であれば、メンバー全員が自然と数字を確認するようになる。そのためにはメンバー全員が数字を確認できる環境を整える必要があるが、今の時代、Google Analyticsなど様々な分析ツールを安価な価格で利用できるので、工夫次第では比較的簡単に環境を整えることができると思う。

ここで大切なのが、すぐに誰でも数字確認できるということである。少しでも集計が必要だと、数字を見るのが億劫になってしまう。特に、デザイナーやエンジニアは主務が物作りなので、簡単に確認できる環境しないと見ない人も出てくる。

 

5. スピーディーに仮説検証サイクルを回せているか?

1から4を実施できていても、スピーディーに仮説検証サイクルを回せなければ、結果は出ない。その場合は、スピーディー施策を回すことができない原因を分析して、対処する必要がある。多くの場合、次のうちのどれかがスピードを阻害している原因ではないだろうか?

  • 意思決定プロセス(最終責任者が不明瞭で、現場のメンバーで意思決定できないなど)
  • プロダクト制約
  • オペレーション制約

一番厄介なのが一つ目の意思決定プロセスだ。よくあるのが経営陣や影響力がある人間が横からチャチャを入れるパターンだ。横からチャチャを入れている人は良かれても思ってやっているがそれがよくない。現場の責任者に任せるのであれば一定期間任せてみて、結果が出なければ現場の責任者を変えるべきだ。これがひどい状況になると現場のメンバー自分たちで意思決定できないので、自分たちは何も決定できないことを悟り、上からの指示を待つようになってしまう。結局チームパフォーマンスを下げてしまう。

 

6. 最後に、全員が結果に対して執着しているか?

いいチームでは目標設定に対して絶対に達成したい!という、非常に高いモチベーションが保たれている。これはリーダーだけが思っていても達成不可能で、メンバー全員で想いを共有し、全員の知恵と努力を結集しなければ達成できない。1から5を実践できていると自然とそういう空気感が生まれてくる。エンジニアもデザイナーも関わっているメンバー全員が結果に対して執着していれば、そのチームはとても大きなことを達成できると信じている。

 

まとめ

要するに、チームに関わるメンバー全員が全員のやっている事を把握し、全体の課題や個々の課題をみんなで認識し、役割を明確にし、チームメンバー全員がチームパフォーマンスを意識した行動ができていればいい。しかし、その状態を保つの非常に難しい。マネージャーは常にそこに注視し、問題が発生したら対処しなくてはならない。

 

参考図書

あなたのチームは、機能してますか?

あなたのチームは、機能してますか?

 

 最近読んだチームビルディングの本の中で、一番参考になった。このブログタイトルもこの本のタイトルを参考にさせてもらっている。この本の中で出てくる下記のフレームワークはどんなチームでも同じだと思う。チームビルディングで悩んでいる方は是非読んでみてほしい。

  1. 信頼の欠如(完全無欠)
  2. 衝突への恐怖(表面的な調和)
  3. 責任感の不足(あいまいな態度)
  4. 説明責任の回避(基準の低さ)
  5. 結果への無関心(地位と自尊心)